快適さに慣れてしまった私達は、リモコン操作一つで自由自在の温度の風を提供してくれるクーラーに夏・冬問わず頼りきっている。今や私たちの生活の中で扇風機よりもクーラーの占める位置は断然大きいと思われる。私たち日本人は昔から暑さをしのぐためにいろいろな工夫をし、それがまた日本人の季節感といったものを育んできた。しかし、その反面、いかに便利に涼を求められるかということは今も昔も変わりない問題だろう。その中で、昭和初期、扇風機の登場は画期的だったにちがいない。
登場初期の金属製の4枚プロペラの扇風機は、現在のもののように首が振れるでもなく、強弱が可能でもなく、一定の方向に送風するという単純なものだったようだが、それまでうちわを使用して人力であおいでいた頃に比べれば、電動で風を送ってくれる扇風機は重宝がられ、当時の厳しい暑さを和らげるために大活躍したことだろう。
私たちは、夏の暑さ厳しい日本で涼しくなるための工夫を重ねてきたが、扇風機の登場は、人力での送風から電動への送風へと移行する第一歩だったと言えるかもしれない。 |